基礎知識 2023.03.16

積雪地域の太陽光発電ってどうなの?導入の際のメリット・デメリット・注意点とは?

日本海側や東北地域は豪雪地帯であり、太陽光発電のパネルを設置しても積雪によって満足のいく発電量が得られないのではないかという不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、結論から言うと、太陽光発電の導入は可能です。
ただし、導入に際して注意点や対策が必要となりますので、本記事で詳しく紹介していきます。

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積雪地域での太陽光発電は可能

前述の通り、積雪地域でも太陽光発電の設備の導入は可能です。では、なぜ可能なのでしょうか。その根拠をご紹介します。

根拠①太陽光パネルの雪は滑り落ちる

積雪地域で太陽光パネルを設置する際は、パネルの角度に注意が必要です。雪が積もり落雪の危険や、荷重に耐えきれずパネルが破損する恐れがあるため、傾斜角度は最低でも15度以上に設定することが求められます。
つまり、設置角度が高い太陽光発電設備であれば、落雪による事故やパネルの破損などのトラブルを避けることが可能です。

根拠②積雪耐久性のある太陽光設備もある

太陽光発電設備に使用するパネルは、さまざまな種類があり、それを慎重に選ぶことが重要となります。では、積雪地域で使用するパネルは、どのようなものを選べば良いのでしょうか?

実は、積雪耐久性が高い太陽光パネルも存在しており、積雪地域にはこれが向いています。したがって、積雪地域で太陽光パネル設置を検討している方は、雪国仕様の太陽光パネルを設置を検討してみてください。

根拠③積雪地域での発電されている

積雪の多い時期でも、それ以外の期間と比較して約50%の発電量が記録されています。ただし、長期間の積雪となると発電が停止してしまう可能性があるため、短期間の積雪であれば問題なく発電することが可能です。

積雪地域で太陽光発電を導入するメリット

次に、積雪地域で太陽光発電を導入する際のメリットについてご紹介します。

①発電効率が高く、夏季の発電ロスが少ない

積雪地域では、夏季の温度上昇が抑えられるため、発電効率が高く、夏季のロスが少ないという特徴があります。太陽光パネルは、日射時間が長いほど発電量が増えますが、熱に弱いという欠点が存在します。最も発電パフォーマンスが良いとされている温度は約25℃で、それ以上の温度では発電効率が低下します。一般的に、温度が1℃上昇するごとに発電効率は約0.4%低下すると言われてます。
そのため、積雪地域では夏季の気温上昇が他の地域に比較して少ないため、発電ロスが抑えられます。

②積雪地域は台風による影響が少なく損傷の可能性が低い

積雪地域は他の地域と比較し、台風の発生件数が少ない傾向にあります。台風が発生すると、暴風雨によりパネルの損傷リスクが高まります。パネルが割れたり、ヒビが入ると発電効率が落ちてしまうため、積雪地域ではそのようなリスクが低減されます。

④年間発電量が少なくなることはない

積雪地域では、冬季の発電量は少なくなりますが、年間の発電量は暑い地域に比較して多くなる場合があります。
先述の通り、積雪地域は気温が高くなりすぎない傾向にあるため、冬季の発電量が低下しても、夏季の発電ロスが少ないため、年間を通して発電量が大幅に減少することはありません。

積雪地域で太陽光発電を導入するデメリット

積雪地域での太陽光発電をメリットご紹介しましたが、同時にデメリットも存在するため、注意が必要です。

①積雪状態が長期間続くと発電量が少なくなる

太陽光パネルの表面に雪が積もった状態では、発電量が減少します。さらに、晴れの日でも十分な発電ができない可能性もあるため、注意が必要です。パネルの角度を最低でも15度以上に設定し、積雪状態を避けるようにしましょう。

②太陽光パネルの変形、破損

太陽光パネル表面はガラス製です。積雪の荷重に耐えられず、パネルが変形や破損を起こし、それによって発電効率が低下する可能性があります。

③落雪による事故

太陽光パネルに積もった雪による事故にも注意が必要です。特に積雪が長時間続く地域や通行人が通る場所では、落雪に対して特に注意が必要です。落雪を防ぐために、パネルに落雪止めの対策を施すことが可能ですので、適切な対策を行いましょう。

積雪地域で太陽光発電を導入する際の注意点

いくつかデメリットをご紹介しましたが、ここではそれらに対する対策や注意点をご紹介します。

①雪かき・除雪をせず、雪が溶けるのを待つ

太陽光パネルに積雪があると、雪かきや除雪をしたくなる気持ちも理解できます。しかし、雪かきや除雪作業は、事故のリスクを高めてしまうため、自然に雪が溶けるのを待つことが重要です。また、雪かきや除雪作業を専門業者に依頼するか、融雪機能が備わった太陽光パネルの導入をおすすめします。

②積雪耐久・融雪機能が備わった太陽光パネルを使用する

積雪耐久や融雪機能を備えたパネルを使用することで、パネルの破損や事故を防ぐことができます。
例えば、カナダの有名メーカーである「カナディアンソーラー」は、積雪耐久に優れており、JIS規格2,400Paの2.25倍にあたる5,400Paの荷重にも耐えられる設計となっています。これは、おおよそ雪が雪が2.5m(500kg)積もる状況にも対応できるということです。

また、融解機能が備わったパネルも存在しますので、それぞれの積雪地域に適したパネルを選ぶことが重要です。

③太陽光パネルを適切な角度で設置する

野立ての太陽光発電設備においては、パネルの角度を調整して設置することを推奨しています。
屋根設置に比べ、野立て設置では架台およびパネルの角度を調整することができます。傾斜角度を15度以上に設定することで、自然に雪が落ちる設計にすることができ、長時間の積雪を防ぐことができます。

④積雪地域の施工実績がある業者を選ぶ

積雪地域での太陽光発電の設置は、注意点が多いため、「施工実績の豊富な業者」や「積雪地域の事情に詳しい業者」を選ぶことをおすすめします。

まとめ

発電量は日射時間にも左右されますが、降雪時間の多い雪国でも年間を通しての日射量を比較すると大きな差はありません。
したがって、積雪量の多い地域でも太陽光発電設備の運用は問題ありません
ただし、積雪地域での設置には注意点が多いため、雪国施工に慣れた施工業者を選ぶことが重要です。

弊社(株式会社FD)は北陸地方から東北地方にかけての積雪量の多い地域での太陽光発電設備の導入・設置の実績があります。積雪地域での太陽光発電設備設置をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

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