基礎知識 2022.12.21

【法人向け】太陽光発電のメンテナンスは義務化ってホント?費用相場についても解説!

太陽光発電はメンテナンスが必要なことをご存知でしょうか?
太陽光発電は一度設置すれば自動的に電力を生み出してくれる便利なシステムですが、その効果を最大限引き出し、長期的に保つためには適切なメンテナンスが必要なのです。

太陽光発電はメンテナンスが必要なの?」「具体的にメンテナンス費用はどれくらいかかるの?」「メンテナンスはどこまでやらないといけないの?」など、企業のご担当者さまからしばしば伺います。

そこでこのコラムでは、太陽光発電のメンテナンスについて基本的な情報や、具体的なメンテナンスコストについても詳しく解説します。

ぜひ、太陽光発電の設置を検討する際のご参考としてご覧ください。

太陽光発電設備のメンテナンスは法律で義務化されている

太陽光発電設備の適切な運用と性能を維持するためには、定期的な保守や修理が必要で、これらは法律やガイドラインによって「義務」となっています。特に、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電においては、発電装置や変換装置などの機器の寿命や発電効率を維持するために、不可欠な要素です。

再生可能エネルギーの固定価格買取制度(改正FIT法)」や「電気事業法(電気事事業法執行規則第53条第2項5号)」は、発電事業者に対して設備の適切な維持管理を求めており、法令違反は改善命令や認定取り消しといった制裁に繋がる可能性があります。

参照:再生可能エネルギーの固定価格買取制度(改正FIT法)
参照:電気事業法

メンテナンスが義務化されている太陽光発電設備のケース

1.再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT法)の対象であるすべての太陽光発電設備
2.電気事業法の定められている50kW以上の太陽光発電設備の全数

メンテナンスが義務化されていない太陽光発電設備のケース

FIT法の対象外であり、かつ出力が50kW未満の太陽光発電設備すべて
「出力が50kW未満でFIT法の適用を受けていない太陽光発電設備」を除けば、現行の法令によりメンテナンスは義務化されています。

太陽光設備のメンテナンスをしないとどうなるか

次にメンテナンスをしないと起こり得るリスクについて具体的に紹介します。

発電量が低下する

・パネルの経年劣化や表面の汚れ
・パネルのガラス損傷・劣化機器内部の損傷
・パネルの高温に伴う機器機能の低下
・電力会社との系統連携における電圧制限

これらの原因が重なると、太陽光発電の発電効率が大幅に低下する可能性があります。
発電効率が低下した状態で稼働を続けると、電力が十分に得られなくなり、売電収入や自家消費への影響が避けられません。これを防ぐためにも、定期的なメンテナンスが重要です。
メンテナンスにより、発電量の低下を未然に防ぎ、太陽光発電をを効率良く稼働させることが可能になります。だからこそ、メンテナンスは欠かせない作業なのです。

大事故に繋がる可能性がある

太陽光設備の機器損傷、配線損傷によって、次の事故が発生します。

・火災
・感電災害

メンテナンスの目的は、大きな事故に発展する前に、その予兆を見つけて対策を取ることです。
早期に問題を発見して、事故を未然に防ぐために、定期的なメンテナンスを行いましょう。

認定取り消しの措置が取られる可能性も

メンテナンスを怠ると、法律に基づき以下の措置が取られる可能性があります。

・指導・助言
・改善命令
・FIT認定の取り消し(拝殿単価の取り消し)

法令順守が求められており、重大な違反の場合は厳しい制裁が設けられています。
例えば過去には、FIT認定基準に適合しない事業者の太陽光認定が8件取り消されるという事例がありました(2019年3月時点)。

メンテナンスにかかる費用はどのくらい?

住宅、50kW未満、以上でメンテナンスにかかる費用は以下の通りです。

費用感
住宅用 5~10万円/回
産業用(50kW未満) 10~20万円/回
産業用(50kW以上) 100~2000万円/回

上記の金額は一般的に扱われている金額となります。
また、設置状況によるため、個々に金額を確認する必要があります。

メンテナンスの頻度はどのくらい?

50kW未満、以上でメンテナンスの頻度が異なるため注意が必要です。
以下の表を参考にしてください。

頻度 備考
50kW未満 1回/年 ガイドラインでは、設備が屋外に設置されているため、1回/年の頻度ではありますが、台風、地震、豪雨などに自然現象による被害、植物被害、鳥の被害などを含めて確認が必要です。
50kW以上 2回/年 保安管理業務外部委託承認制度説明資料 (経済産業省)、電気事事業法執行規則第53条第2項5号では「太陽電池発電所については毎年2回以上」と定められている。

メンテナンスの点検項目一覧

代表的な点検項目は次の内容になります。

項目 点検内容
敷地周り 鳥の巣、植物などによる安全と機器性能の影響を確認する。
太陽電池 モジュール 著しい汚れ、さび、腐食、破損 及び変形を確認する。
固定状況を確認する。
パワーコンディショナー 設置状況と侵入物の有無を確認する。
運転時の異常な音、振動、臭い、過熱を確認する。
表示部の発電状況の異常有無を確認する。
配線 電圧測定、絶縁測定
コネクタの結合確認と 破損・損傷を確認する。
ケーブルの破損確認と張力( 緩み)を確認する。

まとめ

太陽光設備のメンテナンスが法律で定められていることを理解していただけたでしょうか。
法律は設備の安全な使用を確保するための規定であり、太陽光設備を安全に使用し、より多く発電し続けることを考えるとやはり、定期的に点検することが重要です。
この記事をもとに、皆様の太陽光設備が長い期間、安全で電気をより多く発電して利用できることを心から願っております。
またメンテナンスの内容によっては電気系統を触るため、非常に危険となります。業者に頼るべき項目が多いため、くれぐれもご自身で点検することは避けましょう
株式会社FDでは定期点検やスポット点検のサービスを提供しておりますので、お気軽にお問合せください。

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